奈良教育大学
教育学部
理科教育講座

准教授

信川 正順

ノブカワ マサヨシ
NOBUKAWA MASAYOSHI

プロフィール

  1. 大学で物理学を勉強して、大学院から小さいころより憧れていた宇宙を研究するようになりました。夜空を見上げると、漆黒の中に星が瞬いている穏やかな宇宙が見えます。宇宙からは、私たちの目で見ることができる可視光だけではなく、電波やエックス線など様々な波長の光がやってきます。特に、高エネルギーのエックス線やガンマ線では、宇宙はブラックホールがたくさん存在し、星の誕生と消滅が絶えず起こっているなど、激動の場であることが直接見えてきます。エックス線天文衛星などを駆使して、新しい宇宙現象の開拓をしていきたいと考えています。

経歴

  1. 京都大学 白眉センター 特定助教 2011/04/01-2015/09/30

学歴

  1. 京都大学 理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 博士後期 2011/03/23 修了

学位

  1. 博士(理学) 京都大学 2011/03/23

研究分野

  1. 天文学
  2. 素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理

研究キーワード

  1. X線天文学

研究テーマ

  1. 銀河系拡散X線放射の観測研究 天の川銀河、X線、X線天文学 天の川銀河系にはX線星に分解できない広がったX線放射が存在しています。X線天文衛星を用いた観測を行い、その起源を研究しています。 2011/04/01-現在

外部資金(競争的資金)等の研究課題

  1. 銀河面拡散X線放射の観測による銀河系内宇宙線加速の初期機構の解明 科学研究費 若手研究(B) 日本学術振興会 2017/04/01-2021/03/31 宇宙高エネルギー粒子、宇宙線の起源は現在の高エネルギー宇宙物理に残された未解決問題である。それは「低エネルギー粒子が徐々に高いエネルギーに加速されるプロセス」と理解されている(フェルミ加速など)。しかし、加速の初期にできるはずの低エネルギー(MeV)粒子の観測的情報はほぼ皆無であった。申請者はこれまで銀河系内に広く分布するX線放射(GDXE)の観測研究を行ってきた。その主成分は1億度の高温プラズマであると考えられてきたが、GDXEの一部(中性鉄の輝線)は別の起源「荷電粒子と星間ガスの相互作用によるX線放射」であることを突き止めた。この荷電粒子は宇宙線加速の初期、MeV領域に相当する。本研究はこの実績のもとに、X線観測を用いてはじめてMeV粒子の存在とその分布を明らかする。これにより、これまでに捉えられていなかった宇宙線加速の初期機構を解明する。
  2. X線精密分光による銀河MeV宇宙線研究の開拓 科学研究費 基盤研究(A) 日本学術振興会 2015/04/01-2019/03/31 フェルミ衛星やチェレンコフ望遠鏡により,GeV・TeVの銀河宇宙線陽子の情報が入手可能になった.一方,MeV宇宙線陽子のデータは地球のごく近傍を除いて未だ皆無である.この状況で,「すざく」の観測から申請者は,銀河面の中性鉄(6.4keV)輝線の起源がMeV陽子である事を発見した.そこで本研究は下記の目的の元,精密X線分光によるMeV銀河宇宙線陽子の研究を開拓する.
  3. X線・ガンマ線観測による銀河中心高エネルギー活動の解明 科学研究費 若手研究(B) 日本学術振興会 2012/04/01-2015/03/31 本課題は、天の川銀河系中心部の広がったX線放射に着目し、その領域で起こる高エネルギー現象の有機的つながりを解き明かすことを目的とした。本研究では、1億度近くにもなる高温プラズマの存在を証明し、分子ガス雲からのX線放射観測により過去の銀河中心ブラックホールの活動を解き明かした。これにより、銀河の中心領域で起こる高エネルギー現象の全貌を調査した。本研究の大きな柱である「ASTRO-H」衛星は打ち上げが本研究開始であった2012年当時の予定(2014年度)よりも遅れてしまい、上記高エネルギー現象の関連性の解明までは至らなかった。2015年度の打ち上げの後には、本研究の完成を行う予定である。

論文

  1. 研究論文(学術雑誌) 共著 Localized recombining plasma in G166.0+4.3: A supernova remnant with an unusual morphology Matsumura, Hideaki; Uchida, Hiroyuki; Tanaka, Takaaki; Tsuru, Takeshi Go; Nobukawa, Masayoshi; Nobukawa, Kumiko Kawabata; Itou, Makoto Publications of the Astronomical Society of Japan Astronomical Society of Japan 69/ 2, id.30 2017/04/01 10.1093/pasj/psx001 URL
  2. 研究論文(学術雑誌) 共著 Hitomi Constraints on the 3.5 keV Line in the Perseus Galaxy Cluster Aharonian, F. A. et al. The Astrophysical Journal Letters American Astronomical Society 837/ 1, id.L15 2017/03/01 10.3847/2041-8213/aa61fa URL
  3. 研究論文(国際会議プロシーディングス) 共著 Origin of the Galactic Diffuse X-ray Emission: Iron K-Shell Line Diagnostics Nobukawa, Masayoshi; Uchiyama, Hideki; Nobukawa, Kumiko K.; Yamauchi, Shigeo; Koyama, Katsuji The Multi-Messenger Astrophysics of the Galactic Centre, Proceedings of the International Astronomical Union IAU Symposium 322, 206-207 2017/01/01 10.1017/S1743921316012102 URL
  4. 研究論文(学術雑誌) 共著 Origin of the Galactic Diffuse X-Ray Emission: Iron K-shell Line Diagnostics Nobukawa, Masayoshi; Uchiyama, Hideki; Nobukawa, Kumiko K.; Yamauchi, Shigeo; Koyama, Katsuji The Astrophysical Journal American Astronomical Society 833/ 2, id.268 2016/12/01 10.3847/1538-4357/833/2/268 URL
  5. 研究論文(学術雑誌) 共著 Scale heights and equivalent widths of the iron K-shell lines in the Galactic diffuse X-ray emission Yamauchi, Shigeo; Nobukawa, Kumiko K.; Nobukawa, Masayoshi; Uchiyama, Hideki; Koyama, Katsuji Publications of the Astronomical Society of Japan Astronomical Society of Japan 68/ 4, id.59 2016/08/01 10.1093/pasj/psw057 URL

研究発表

  1. 口頭発表(招待・特別) Origin of the Galactic Diffuse X-ray Emission: Iron Line Diagnostics with Suzaku XII Multifrequency Behaviour of High Energy Cosmic Sources Workshop 2017/05 すざく衛星を用いて、銀河系拡散X線放射(GDXE)を観測した。GDXE の空間分布、及びスペクトルを高精度で測定した。その結果、従来の説である暗いX線星の寄せ集めでは説明できないことがわかった。
  2. 口頭発表(一般) X 線天文衛星「ひとみ」による超新星残骸 N132D の観測 日本天文学会2017年春季年会 2017/03 X線天文衛星「ひとみ」は、2 種類の軟 X 線検出器,SXS (軟 X 線分光器) と SXI (軟 X 線撮像器) の較正目的 で超新星残骸 N132D を観測した。観測開始直後に衛星姿勢が乱れたため、SXS の視野内に天体を捕捉できたの は最初の 1 時間程度であったが、 SXS は鉄や硫黄の K 殻輝線を検出した。硫黄輝線から求められる視線速度は LMC のものと矛盾がないことがわかった。一方、鉄輝線から視線速度 ∼2000 km/s を測定することに成功した。 これは LMC のものよりも有意に大きく、鉄イジェクタの非等方性を示唆する。小統計ながら視線速度を決定で きたのは、SXS の優れた分光性能とエネルギー較正精度によるものである。また、広視野を有する SXI は、姿 勢異常発生後も天体を捉え、∼ 12 keV までの高統計のスペクトルを得た。本講演では、これらのデータ解析の 結果を報告する。
  3. 口頭発表(一般) 鉄 K 殻輝線精密診断による銀河系拡散 X 線放射の起源 日本天文学会2017年春季年会 2017/03 銀河系には個々の天体に分解できない拡散 X 線放射が存在し、その空間分布から、銀河中心 (GCXE)、バル ジ (GBXE)、リッジ (GRXE) の 3 成分に分解できる。GCXE、GBXE、GRXE の起源として、強磁場激変星 (mCV)、弱磁場激変星 (non-mCV)、コロナ星の連星系 (AB) といった点源の集まりとする説が有力視されてい る。 我々は FeI Kα (E = 6.40 keV)、FeXXV Heα (E = 6.68 keV)、FeXXVI Lyα (E = 6.97 keV) 輝線の等価幅 に注目し、「すざく」アーカイブデータを用いて、GCXE、GBXE、GRXE、および上記の点源のスペクトル解 析を行った。GBXE のスペクトルは mCV、non-mCV、AB のスペクトルの足しあわせで概ね再現できた。一方、 GRXE のスペクトルは、FeI Kα と FeXXV Heα 輝線で有意な超過が残った。つまり、mCV、non-mCV、AB 以外 で、冷たいガスと高温プラズマの両方を兼ね備えた成分が必要である。
  4. ポスター発表 すざく衛星による銀河系拡散X線放射の観測研究 GC workshop (IAU302) 2016/07 X線天文衛星を用いた銀河系拡散X線放射の観測研究の結果を報告した。
  5. 口頭発表(一般) 銀河中心拡散 X 線放射における局所的な Ni 組成量の過剰 日本天文学会2016年春季年会 2016/03 本研究では GDXE におけるニッケル輝線 (He-like: E = 7.8 keV、H-like: E = 8.2 keV) に着目し、調 査を行った。その結果、(l, b) = (−1.◦0, −0.◦2) の領域において、ニッケル輝線のエネルギーバンド (7.6–8.0 keV) で放射が強い弧状領域を発見した。さらに、この領域と反相関するするように鉄輝線が強い領域が接しているこ とも分かった。これらの領域からスペクトルを抽出したところ、E = 7.82 ± 0.01 keV と E = 8.16 ± 0.03 keV に 有意度 5.6、2.9σ 輝線を検出した。このエネルギーはそれぞれ He-like、H-like のニッケル輝線に一致する。この 放射が GDXE だとすると、ニッケル/鉄の組成比は 5.2 ± 2.2 倍であった。一方、この領域には電波で超新星残骸 Sgr D SNR が存在する。超新星残骸の熱的プラズマだと考え、周囲からのバックグラウンドを評価した場合は、 ニッケル/鉄の組成比が 66 ± 30 倍にもなる。

受賞学術賞

  1. 第一回日本学術振興会育志賞 2011/02/01
  2. 優秀若手論文賞 2010/07/22

地域貢献、国際貢献、学会活動

  1. 教員免許状更新講習 2017/08/23-2017/08/23 教員免許状更新講習を実施した。
  2. 七夕出前授業 2017/07/06-2017/07/06 精華町立精華中学校にて七夕に関した出前授業を実施した。
  3. 日本天文学会男女共同参画委員 2017/04/01-現在 日本天文学会男女共同参画委員を務める。
  4. 教科内容学会 大会事務局・運営 2017/03/01-2017/09/01 2017年度教科内容学会の事務局と運営を実施した。
  5. けいはんなサイエンスプログラム 2017/01/08-2017/01/08 けいはんなサイエンスプログラムにおいて「天体望遠鏡作成」のブースを出展した。